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体験・遊び Shimau.

真っ白な壁にマリンブルーのドアがアクセント|Shimau.

Shimau.

広島県呉市豊浜町豊島3534-8

真っ白な壁にマリンブルーのドアがアクセントのShimau.の店舗は、民家が立ち並ぶなかに良く映える。看板には、白抜きで鵜が描かれている。オーナーの、おりでちせさんが考えた、島に生きる鵜だ。店名のShimau.は、おりでさんが好きな海鵜・川鵜と、夫が漁師として移住したこともあり、魚取りの名人である鵜になぞらえ、「島で暮らす鵜のようになれたら良いね」というおりでさんの想いが込められている。

Shimau.

豊島の自然をイメージした、手作りのお店

Shimau.は瀬戸内海に浮かぶ豊(とよ)島にある。みかん栽培で知られる温暖な地域だ。呉市内からは橋で結ばれた下蒲刈島、上蒲刈島を渡る。車で1時間ほどの道のりは、海風を感じる快適なドライブ・コースだ。海岸線沿いの道を大崎下島方向に走ると、やがて小野浦の集落が見えてくる。昔から漁師町として知られるこの辺りは、狭い路地が迷路のように入り組んだ街並みが特徴的だ。

そんな街並みの中に可愛らしい外観。引き寄せられるように店内に入ると、中は白く塗られた壁が優しい雰囲気を醸し出している。「あら、かわいい。」並んでいるブローチや便箋、スタンプなどを見ると、思わずつぶやいてしまう。温かみのある木製の棚が、作品の愛らしさを一層引き立てている。


 

「全部自分で色を塗ったりして、自分好みの空間にしているんですよ」と笑って話すのは、イラストレーターで陶芸作家のおりでちせさん。

 

豊島で Shimau.を開くまで

豊島に移住した当初、おりでさんは、お店をもつことなど考えてもいなかったという。

広島市中区の出身で、イラストレーターとして広島市内を拠点に活動していたが、夫が漁師に転職したことを機に、先に移住した夫を追って、おりでさんは一年後の2015年に豊島に移り住むことになった。こうして豊島での生活がスタートしたものの、島の住民にはイラストレーターという職業をあまり理解してもらえなかったようだ。

「それなら、地域の人にも私がどのような活動をしているかわかってもらえるように店を持とう」

自身の手がける作品を店内に置き、どんなものを作っているのか、なんとなくでも周りの人に知ってもらえるようにと、2017年にアトリエショップ Shimau.を開いた。

 

できることは自分で。お店そのものが手作りの作品

店舗になる前の当初の建物はプレハブで、暑さ寒さが厳しく、店舗として利用するには改修する必要があった。
業者に断熱材を入れたりしてもらう一方で、できることは自分でしようと、天井や壁、床などはすべて自力で塗装した。白い外壁も、おりでさん自身で色を塗ったという。店内の照明やインテリア、棚などもおりでさんの見立てだ。専門的な知識はなくても、そこはイラストレーター。集めたお気に入りのものがしっくりと調和していて、手作り感いっぱいのお店が完成した。できることはなるべく自分でするのが、おりでさんのスタイルだ。

 

住み心地の良い島暮らし

豊島に移り住んで5年。この島での住み心地には、市内に住んでいたときよりも満足していて、今では、広島市内に住む友人に対しての自慢でもある。

「自転車移動だけですべて用が足りる街の暮らしに比べると、急に何か必要になったときに買い物ができない今の暮らしは、一般的には不便なことが多いと思うんです。でも、住んでしまえば、それが当たり前になり、買い物も以前より考えて必要なものだけを買うよう工夫するようになりました」

島暮らしは何かと不便だが、おりでさんは、それさえ楽しんでいるように見えた。むしろ、都会で働く暮らしではなく、のびのびと暮らせる島の環境は住み心地が良い。

「今の暮らしの方が好きなんです」

と、おりでさんは笑顔で話してくれた。

 

自然に囲まれた島に暮らす強み

もの作りにおいて、おりでさんが大切にしているのは、自分が感動したことをそのまま作品として表現することだ。おりでさんの作品には生き物が多い。お店を見渡しても、虫や海洋生物、陸地の動物など生き物であふれている。広島市内に住んでいたころには、図鑑やインターネットを頼りに、実物を見ずに生き物を描くことが多かった。しかし島に来てからは、実際に動物を見て、感動したものを作品に落とし込めるようになった。自分の目で見て、心が動かされたものを作品に表現できるのは、豊島に住んでいるからこその強みだ。

 

陶芸の質感に魅了されて

おりでさんは、イラストレーター以外に陶芸家としても、創作活動を続けている。陶芸は、学生のときに少しやっていて、働き始めてからはあまり触れて来なかった。友達に誘われて7、8年前に再度始めたことをきっかけに、面白くてのめり込んだという。

「イラストは、紙やデバイスに書き込むので、表現はあくまでも二次元。陶芸は三次元で、そのデザインに質量を感じるところが好きなんです。」

陶芸ならではの表現に魅了された。
おりでさんが陶器を制作する理由は、もう一つある。

衣食住の中にもデザインを取り入れていくことだ。さまざまなところに存在するデザインを、もっと生かしていきたい。それがおりでさんにとっては、「衣」に対してはブローチであり、「食」に関しては皿なのだ。
陶芸にしか出せない釉薬の色合いや、紙にはない質量をもったデザインを、ぜひ楽しんでもらいたいと考えている。

 

絵は、見る人が自由に解釈していい

展示されている作品の中で、特に目を引くのは人物画だ。水彩の柔らかなタッチで描かれた人物はどこか無機質で、その表情をじっと見ていたくなる。眺めていると、そのうちどんどんその世界に吸い込まれていく、なぜか自分のことを重ねてしまうなんとも不思議な余韻が残る作品である。

「有名な絵のなかには、壮大なコンセプトがあるものも多いんですけど、私の絵は書き手のコンセプトを押しつけるようなものではなく、見る人それぞれに解釈をしてもらえたらいいと思っているんです。人物を描いていても、女の子か男の子かわからない中性的な人物も多くて、私が女の子のつもりで書いていても、見る人には男の子と受け取られることもあります。でも私はそれでいいと思っています。それは見る人が、その日その時の気分で、自分に重ねながらその絵を見ているからだと思うので、私は見る人の自由があるような絵を描いています。」

 

豊島の色を映した、アクセサリーづくり

オリジナルの陶のパーツを組み合わせて、自分だけのアクセサリーを作ろう。
Shimau.ではブローチ、ヘアクリップ、バレッタの3種類から好きなものを選んで、15〜30分で簡単に作れるワークショップに参加できる。
現在はコロナ対策として、店内の換気・消毒を徹底している。

おりでさんは、海の色など島で見る色をパーツとして作っている。ワークショップでは、島のイメージが投影されたパーツを組み合わせて作品制作を体験することができる。

「つけるたびに豊島の風景を思い出すような、オリジナルアクセサリー作りを体験しに、ぜひいらしてください。」

ワークショップの参加人数は一度につき2名までとなっているので、まずはお問合せを。

名称 Shimau.
お問合せ 090-1183-3928
営業時間 10:00~16:00
定休日 月曜〜木曜+不定休 ホームページで営業予定日をご確認のうえ、お越しください。
駐車場 お問合わせください
ウェブサイト https://www.oridechise.net/
所在地 広島県呉市豊浜町豊島3534-8
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